医療と司法をチェックする仕組み〜国賠『敗訴』から見えてきたこと
医療や司法をチェックする仕組み
〜 国賠『敗訴』から見えてきたこと 〜
伊藤国賠『敗訴』により、「事実認定に必要な種々のチェック制度を欠くために、制度による権利侵害が証明できない」という、『不作為の循環』が見えてきました。
自由と幸福を制限された体験から発する疑問と知恵は核心を突き、その『意見』は貴重です。
例えば、
①正式な移送手続きのチェックと記録
②基となる『患者の権利法』
③司法等の面談審査による事実と本人意思の確認
④公式な調査権限を持つ国内人権機関へのアクセス
⑤家族以外にも本人が選べる権利保障人
⑥カルテ審査により治療の疑問に答える専門機関
⑦専門機関による医療事故調査と国による無過失補償、過失の立替え補償する医療事故基金。(故意過失は裁判)
等があったらどうだったでしょうか?
事実確認が可能になり透明性も向上、⑦では施設症による自律性の喪失が重大と認定されれば補償され、患者、医療者共に訴訟による疲弊が回避できます。
国賠訴訟は、法や公務員により被った損害を、原告自ら証明して初めて救済される制度で、本来必要なのは予防。
人権擁護の構造としては、④国内人権機関の他に、⑧憲法裁判所、⑨国際個人通報制度、などが裁判所のチェック機能となり、擁護機能を高めます。
日本の裁判所は唯一絶対の司法機関、独立性の検証も難しく個人の権利も裁量次第です。
④⑧⑨を持つ韓国では、医療保護入院の違憲判断を受けて要件を厳格化、公立病院所属を含む2名の指定医の診断、自傷他害の危険かつ日常生活が困難であること、司法を交えて、人権侵害の有無や今後の希望などを直接本人に確認する事としました。
「何人も『公共の福祉に反しない限り』、居住、移転及び職業選択の自由を有する」(日本国憲法22条※)。
公知の事実にもupdateが必要です。
自由とは『支配されないこと』。切実さを知る当事者の希みは、不作為と親和する責任追及よりも具体的な改善。
裁判の結果を障害者権利委員会に報告し、建設的対話を求めたいと思います。
(国賠研通信への寄稿に⑤を加筆)
付記)
※医療保護入院については、むしろ18条違反との指摘があります。
憲法18条
「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。」
いや、精神医療は、処罰ではなく医療だから、と早速声が聞こえてきます。
日本国憲法は全般的に理念が書かれたものであるため、解釈に幅があり、イメージされるものが人によって異なります。場合によっては、旧来の封建的な解釈を当てはめてしまうことさえ起こり得ます。
違憲性を問うことの難しさは、こうしたところにも見られ、ますます、裁判官個人に委ねられることになります。
逆に言えば、伊藤裁判の審判が全てではないとも言え、まずは次の珠を投げてみよう!ということにもなります。
国を批判することが目的ではありません。それこそ日本国民の幸福追及をより確実なものにするためです♡