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- 健康は権利 - (無断転載はお断りします) 中村佳世

医療における無過失補償立証制度

gigiegugu

Elsevier Masson SAS 出版 2021  Medico-legal


《 予防医療、診断、治療過程での医療行為による結果に対する、補償調停委員会の役割 》


W. Djadooun 身体的被害研究法律事務所
S. Bart ルネ・デュボ中央病院泌尿器科


2002年3月4日付けクシュナー法により、医療事故、医原性疾患、院内感染による患者の被害への補償制度が制定された。この制度は、過失のあった問題に関する調停、和解を目的としており、過失による損害を補償するものである。申請はインターネット上でダウンロードできる書式を用いて調停補償委員会に提出し、評価される。申請は、調停委員会は意見の異なる専門家により編成されたチームにより検討が重ねられる。この記事は補償調停委員会の仕組み、受療基準、機能の手順、決定などについて理解を深めるためのものである。


はじめに
クシュナー法の創設から18年、補償調停委員会は多くの申請を扱ってきた。最近の補償機構のレビューの主な数値特性は次の通りである。申請5336件の内、新規が4612補償件、補償調停委員会により受理されたのは3805件であり、受理基準に照らし合わせて専門家チームに送られた。補償調停委員会は全国に支部が置かれ、233回のミーティングが行われた。書類審査に要した期間は平均して7.5か月である。(規定による期間は6か月)。
この記事は補償調停委員会の仕組み、受療基準、機能の手順、決定などについて理解を深めるためのものである。


クシュナー法
2002年3月4日付けクシュナー法により、医療事故、医原性疾患、院内感染による患者の被害への補償制度が制定された。この法律により、3つの機構が設立された : 地方補償調停委員会、国立医療事故補償機構、および国立医療事故機構。
この記事では、地方補償調停委員会について語る前に、他の2機構について簡単に説明しておく。


国立医療事故補償機構
公衆衛生法1142-22に基づく事務的手続きのための公的機関である。国民互助のもとに補償支払いを行う窓口であり、法1142-1. 1-1, 17に基づき、医療事故、医原性疾患、院内感染による患者の被害への補償を行う。血液媒体由来のエイズ、C型肝炎、強制接種ワクチン、救急治療、成長ホルモンによる感染にも対応している。実際には院内感染に関する申請はさほどない。その他、2011年7月の公衆衛生法57条により、Benfluorexによる犠牲者に対する補償を決定した。院内感染による被害について、医療機関に落ち度が確認された場合には、心身機能の25%から死に至る損失に対し、保険会社に代行し国立医療事故補償機構が負うこととした。
更に、2016年12月29日の公衆衛生法1917により、valproateの犠牲者に対する補償が定められた。これらの犠牲者は責任を負う者から補償を受ける。補償が拒否されるか十分ではない場合には国立医療事故補償機構により補償され、後日、責任がある者に請求することができる。


国立医療事故機構
公衆衛生法1142-10により設立。2002年の政令により、構成、任務、機能の規定がしめされた。主な任務は医療的責任を負うことのできる専門家を育てる研修と、専門家のリストの作成である。
また、年毎に、補償調停委員会から要請された専門家の現況を評価すると共に、各委員会から送られるレポートに基づき評価レポートを政府と国会に報告する。このレポートを基に、国立医療事故機構は、各委員会が公平な活動を行えるよう、委員会と政府に意見書を提出する。


補償調停委員会
2002年のクシュナー法により創設された、地方補償調停委員会はよく知られている。2012年、23の委員会と7つの拠点に再編された。
補償調停委員会には2つの使命、調停と補償がある。調停は、利用者と医療側の間の問題解決のために、全行程に渡り行われる。実際、委員会は、行われた治療に不満のある利用者と医療者あるいは医療機関との間の仲介役を果たす可能性を有し、あるいは、患者、利用者、医療制度に関する患者の権利について理解が不十分な場合にも介入する。
被害者は次の場合には調停を求めることができる。
・行われた治療に不満がある場合
・臨床試験による生物医学的研究の場合を含み(新薬開発のためのプロトコルに参加する場合など)、医療者や医療機関に対して反論がある場合
・公衆衛生法1142-19に記されたケースよりもダメージの度合いが小さい場合


2012年3月2日の法2012-298により、調停の使命が強化された。公衆衛生法1142-19では『委員会は次の調停のための研修をする :
- 医療者または医療機関の管轄下において、患者および医療制度の利用者の権利における争いに
予防、診断、治療において、
- 臨床試験による生物医学的研究が実施された場合においてその管轄下で生じた困難や争いの際の要求


この調停により、取引が失敗した場合の双方の言い分を明らかにし、係争に和解への姿勢を保つように促す。公衆衛生法1142-5では、委員会には、通常の委員とは異なり限定的な責任を負うが、同等の発言権のある外部からの独立した仲介者を参加させることができるとされる。
実際には委員会で調停の扱いは少ない。2017年には339件の要請があり、24件が和解成立した。
調停に失敗した場合にも、書類の受領条件が整っているならば、引き続き、委員会を利用し書類による和解の調整を行うことができる。2019年には279件の調停要請があった。
補償調停委員会には、補償という使命もある。医療事故や医原性疾患、および院内感染における係争の和解をしやすくするものである。この仕組みはオプション的なものであり、物議をかもす過程に対して備えるべき義務はない。書類が受理可能と判断された場合には、医療専門部が介入を開始する。6か月後には、専門部会の名において、原因、状況、損失の程度、国民相互支援金からの補償額の最終評価を決する。


後半〜

補償調停委員会のメンバー構成






医師会記事

医の倫理の基礎知識 2018年版【医師と社会】G-5.医療における無過失補償制度|医の倫理の基礎知識|医師のみなさまへ|日本医師会


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