~~ 市民による地域精神保健 ~~ 

- 健康は権利 - (無断転載はお断りします) 中村佳世

リカバリー憲章:地域精神保健のチームを結ぶ

リカバリーという考え方は、当事者運動の中から生まれ、地域精神保健全体の礎、土台になっています。


リカバリーは人により様々に定義されます。


国立精神神経医療研究センターは、

(https://www.ncnp.go.jp/nimh/chiiki/about/recovery.html )

米国の政府委員会によると、リカバリーとは、「人々が生活や仕事、学ぶこと、そして地域社会に参加できるようになる過程であり、ある個人にとってはリカバリーとは障害があっても充実し生産的な生活を送ることができる能力であり、他の個人にとっては症状の減少や緩和である」と定義されます1)。すなわち、リカバリーとは精神疾患の当事者あるいは精神保健医療福祉サービスを利用する当事者個人のものであり、当事者自身が歩むものです。》

と書いています。


リール市東地区では、地域精神保健の基本的な「理念を共有」するために、リカバリー憲章として次のように定めました。


【リカバリー憲章】
一人ひとりのリカバリーを助けるために、精神保健センターの専門職は :
1 希望へと転換する前向きな議論と姿勢を採用します。
2 スティグマなどに直面することにより困難を抱え、そのせいで排除されることを抑えるために、アイデンティティーを損なわない応対をし付添いを心掛けます。
3 利用者の自律性を優先し、専門職は健康と治療について情報を発展させ、十分に説明して、利用者自身がそれを活用して主体的に責任をとれるようにします。
4 地区間をつなぐ健康と精神保健と市民に関する協会団体と協力して、利用者がスムーズに社会参加ができるように配慮します。
5 一人ひとりの要望が聞き届けられるように、また選択できるように、異なる治療法や専門分野があることを示し、方法や分野の選択可能性を保ちます。
6 利用者の様々な要求、多様な機会、多様な稼働域、多様な活動領域に応えられるように、職種の多様なチームを編成し組織します。
7 ウエルビーイングを維持するために、また急性期に備え、常に利用者の主体的な決定を優先して実行計画を提案します。
8 精神疾患のある人に対して一人ひとりの能力を認め、
1) 専門家による職業訓練
2) ピアサポーターとしてのチームへの参加
3) 各種活動の機会に利用者の代表が参加することによって利用者の考えを伝えること
ができるようにします。
9 自助グループについて公に語ること(宣伝し?)で、利用者の相互支援を後押しします。
10 精神保健の専門家による専門的な経験を伴うメンタルヘルスに関する情報を皆に伝えます。
11 ピアサポーターとは精神疾患を経験し、自身の疾患やスティグマとの闘いの末に、自分が満足できる生活をすることができるようになり、そのリカバリーの道のりを分かち合えるようになった人です。


ここの幸せは自家製
(自助グループ:シテイボナール)

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