~~ 市民による地域精神保健 ~~ 

- 健康は権利 - (無断転載はお断りします) 中村佳世

6/12 上映ドキュメンタリー映画『12日』対訳


フランス『司法による入院審査と退院審査 』

ドキュメンタリー映画「12日」  抜粋

レイモンド・ドウパルドン監督2017.11.29封切


フランスで静かなヒットとなったドキュメンタリー映画です。現在DVDが購入できます。

予告編 

https://youtu.be/4QmmxdEtu68

このDVDには聴覚障害者用に字幕が、視覚障碍者用に音声ガイドがついています。日本語版がないので、それを基に翻訳してみました。


2011年よりすべての精神科の強制入院について、手続きが法的に正しく行われたものか、その後の入院継続を承認するかどうかを判事との面接により決定することとなった。入院から15日以内(2013年9月27日より12日以内)、その後は半年ごとに審査が行われることになっている。

審査に不服がある場合はさらに10日後に再審請求ができる。


【1人目、アニック、入院審査】
No 2  アニックムーリ 女性55歳 判事 男性 60歳位 弁護士 男性 40歳位 
判事   こんにちは。お座りください。あなたはアニックムーリさんですね。
アニック はい、そうです。
判事   誕生日は1961年、10月28日、生まれはリヨンのどこですか ?
アニック 二番街区です。
判事   二番ですね、はい。
アニック ホテルデュー病院です。リヨンでいいおうちの人たちと同じところです。
判事   は ?
アニック 生まれのいい人たちと同じ病院です。(照れる)
判事   はいはいはい、他の病院で生まれる人もいますからね。それも許可されてますから。住まいはリヨン市ヴェルレーヌ通38番 、5番街ですね。
アニック その通りです。
判事   独身ですか ?
アニック はい。
判事   お仕事は何ですか ?
アニック オレンジで働いています。あの会社。。
判事   ああ、はいはい、オレンジね、電話会社の。
アニック 昔のフランステレコムです。
判事   はいはい、いいですよ、わかりました。どの部署にいますか ? どこですか ?
アニック 私の部署ですか ?
判事   はい。
アニック 課金サービス課てす。
判事   いいですよ。では、そうですね、間違いなければあなたが具合いがわるくなってエドワードエリオ病院に来たのは、11月11日ですね。
アニック あまりよくありませんでしたが、それほど悪くもありませんでした。
判事   それは知りませんが。つまり…
アニック 医師たちはそうおっしゃってますか。。
判事   まずあなたの雇用主が、つまりあなたの会社のだれかが…
アニック 雇用主です。
判事   あなたの具合がよくないのを見てリヨンエドワードエリオ病院に連れてくることにしたのですね。
アニック 彼はこんなに親切でこんなに人間的でこんなに人を思ってるってことを見せたかったんです。私が何かやらかすんじゃないかと決めつけて。
判事   何かご自身に心配ごとがあったんじゃ ?
アニック 私に ? いいえ !
判事   私は何も知りませんが。何も。
アニック でも私は泣いてました。
判事   そう。
アニック 朝にも同じことがあって。
判事   何があったんですか ?
アニック 部長とちょっと摩擦があって、彼のせいで何も食べてなくて。私… ふう ! 同僚たちもみんな沈黙して秘密にしてるし、ちょっと微妙で。。(震えた声で)
判事   はいはい、わかりました。でどうですか、病院では具合はいかがですか ? 来た当時より良くなりましたか ?
アニック はい、だいぶ気分がよくなりました。だって、私が来たときは縛られてたんですから。
判事   調書にも書かれていました。
アニック どっちにしても、そんな必要はなかったでしょ ! すごい暴力だったわ ! (訴える)
判事   それは医師の責任を果たすための医療的判断ですから。あなたが興奮してたから医師たちはそれが必要と判断したんですよ。
アニック いえ、錯乱していたと言われることについては、私は医療側とは違う意見です。
判事   はい
アニック というのは、私はいつもと変わらないようにしていたし。ここに着いたときだって私の扱いに対して大人しくしてたのに。いきなり、、私の周りに何人いたか知ってる ? 12人よ、12人 ! 服を脱がしたかと思うとパジャマを着せられて。。
判事   錯乱に対応するには大勢人が必要だと思いますが。
アニック それはそうでしょうけど、12人もよってたかって私を括り付けて、2分後には何もできない状態だったわ。それってとても暴力的ですよね ? !
判事   そうですね、そう思います。
アニック 想像してみてください。わたしは自制心を保って彼らのするままにしていました。観念して脳は思考停止になりました。
判事   つまり要約すると
アニック 錯乱してませんでした !
判事   あなたはもう少しここの病院にいた方がいいと思いますか ?
アニック えっと、ええ、ええ。
判事   医師もあなたがここに入院していた方がいいというのは正しいでしょう。
アニック でも、いづれにせよ、これは言っておきたいわ。ここに来てどのくらいかしら ?
弁護士  10月です。
アニック そうだわ、10月でした。例年のリヨン光の映画祭があって。
判事   知ってますよ。
アニック でしょ。私行くのが大好きで毎年行ってるの。土曜日だったわ、何日かは忘れたけど。その土曜の日に…私写真撮るのが好きなの。ちょっと時間頂いていいですか ? 涙がでて… 
判事   はいはい。大丈夫ですよ。心配しないで。
アニック 映画祭に行くためにかばんとカメラを用意して。
判事   光の映画祭ですね。
アニック 土曜日で、素晴らしい日で、太陽が… (泣き声)
判事   それで ?
アニック それなのにそこに行く代わりに、救急に行かなければならなかったの。
判事   気分がよくなかったからですね。
アニック いえ、気分はよくなかったですけど、金曜日に…金曜日じゃないわ、私金曜は仕事じゃないから。木曜にまた嫌なことがあって、職場でハラスメントがあったんです。
判事   職場でうまくいかないことがあったんですね。
アニック そうです。
判事   私の理解するところでは、そうですね。
アニック それが原因だと思います。
判事   はい、よくわかりますよ、あなたの仕事には難しいことです。
アニック とてもとてもきついです。
判事   それではピカール弁護士のご意見を伺いましょうか。
アニック すみません。
判事   いえ大丈夫ですよ、どうも。
弁護士  ありがとうございます、判事さん。この調書の中には入院手続きについては特に指摘することはありません。ただ、アニックさんとの聴き取り調査で一つ指摘しておきたいことがあります。というのは、職場でアニックさんに苦痛を強いた迫害について、医師にその解釈について質問したことです。彼はオレンジで働いていて…オレンジで起こっている訴訟のうわさはみな聞いていると思います。ですから、アニックさんを苦しめたのも同じようなことかと。
アニック 迫害です。
弁護士  この職場における暴力は医師がそういったわけではありませんが、医学的には迫害妄想というのかもしれませんが、わたしは敢えてそう言いたいと思います。手続きについては特に見解はありません。
判事   ありがとうございます、先生。確かに私もそう思います。もう少し入院を継続する必要があるようですね。書記さん、私は入院継続手続きを進めたいと思います。
アニック いいですよ。傷口があいたままだから。
判事   というのは、間もなく医師と退院できる日を相談することになるということですから。
アニック 退院してもっと力をつけるために職場に戻ります。
判事   そう。間違いありません。
アニック 絶対やりぬくわ。自分に誓ったんです。



【2人目、ソフィア、入院審査】
No 10 ソフィア 女性 , 判事 : 女性 60歳くらい, 弁護士女性50歳くらい
判事   はいでは、あなたはソフィア ベニマードさんですね。
ソフィア そのとおりです。
判事   結構です。で、今日私があなたにお会いしているのは、強制入院された場合に12日以内にすることになっている緊急措置入院の法的手続きのためです。
ソフィア はい。
判事   今日の私の役割は医師や医療関係の方の手続きが、法に基づいてあなたのためになるように行われたかを確認することです。私も弁護士さんもあなたの利益を守るためにここにいますよ。
ソフィア わかりました。
判事   どうお考えになりますか ?
ソフィア まず、弁護士さんからお話を聞いてください。その後に私の考えを述べます。
判事   その方がいいですか ?
ソフィア はい。
判事   もし、あなたがそうしたいとおっしゃるならば、そういう順番にしましょうか。あなたのお考えも知ることも大変参考になりますから。
ソフィア それで結構です。
弁護士  彼女と話したところをお話しします。彼女はこの入院を継続することに同意ではありません。12月4日に入院させられることになったのは、それがクリスマス週間の始まりだからだと彼女は考えています。クリスマスが近づいてくる頃は彼女にとってはとても辛い時期なのです。というのは、まだとても小さかった頃に母親と引き離された時期にあたり、幼児期の辛さが蘇ってくるというのです。彼女自身も同じように2歳になる幼い娘と別々に暮らすことになりました。
ソフィア 今年は15時間でした。
弁護士  間接的な訪問ができます。随分と辛いことだと思います。彼女自身は臨床心理士との作業の方が薬物療法中心の精神科病院での治療よりも効果的だと考えています。薬のうちには効いているものもあると感じているようですが、それ以上に心理療法による治療の恩恵の方が大きいだろうと。彼女が退院を希望する理由はそういった点になります。
判事   結構です。ありがとうございます。ではあなたの番です。どうぞ。?
ソフィア 彼女は全て語ってくれました。全て説明しました。ですから、私はこの入院について自分が感じていることを述べます。入院は私には必要ありません。なぜなら私は自分の子供を取り戻すための解決にもならず閉じ込められているように感じるからです。私の娘も引き離されてはとても辛いはずです。私も同じです。精神科医は私が自分の苦しみを和らげるために娘が必要なのだと思っていますが、それは違います。互いに愛したいし、お互い毎日会いたいと思っているのです。私は自分の子どもを毎日面倒をみて教育したいのです。でも、入院していてはそれは不可能です。ですから、唯一の解決策は私がこれ以上入院を続けず、心理療法家の治療だけを続けること、薬も今では一種類になってますし、彼らは薬が私には有効ではないことを知っているんです。
判事   いいでしょう。では、私はあなたに説明しなければなりませんね。診断書によるとあなたはまだ入院が必要で、退院にはまだ早いと。もう少し辛抱が必要だと。あなたの娘さんはあなたが必要です。それは間違いありません。あなたもお子さんが必要です。でも娘さんは状態のいいお母さんが必要です。
ソフィア わかりますけど、それは問題ではありません。私は彼女に会えないことは知っていますが、私には彼女に会う能力はあります。それが益にかなうことだからです。ソーシャルワーカーは私が娘に会うために了解してくれています。入院していても、彼女は私が娘に会うことに賛成です。反対しているのは精神科医の方です。
判事   それが今のところあなたの益にかなうからではないかしら。
ソフィア ソーシャルワーカーは私たちの過去をご存知です。彼女は私の子供時代のことも知っています。国の披後見人になったのでローン地方の全ての児童自立支援施設は私の歴史を知っています。私はDdassの子供になって、つまり精神科医はそのことを知りません。ソーシャルワーカーが知っている全てのことを。
判事   では、ソーシャルワーカーの方は家庭の事情をよくご存じでもちろんあなたの娘さんのこともご存じなのですね。ここの精神科医はあなたに会って病気のことを専門に見るのです。それで、今のところあなたとあなたの娘さんのために、それはできないと仰っているの。
ソフィア でも私はできると思います。その能力があると思います。
判事   聴きましょうか。
ソフィア 私は毎日継続的に娘の面倒を見ることはできません。一年中面倒をみることができないこと、それはわかっています。でも娘の訪問のときには彼女を迎えて面倒を見ることができます。ご飯をたべさせ、おむつを替えて、心地よくしていられるように、満足して幸せを感じられるように、愛情をこめて世話してあげること、それならできます。それは本当です。それは約束です。誓いです。神の前にそう約束すると誓います。洗礼を受けてはいませんが、私は信心深いのです。ですから、あなたの名誉にかけて私は誓います。
判事   いいでしょう。そこまでにして、今度は私の決定をお話ししますね。
ソフィア はい。
判事   私は12日目の診断書の入院継続を承認しようと思います。ということは、私はあなたの言い分をすべて聞いた上でということです。この決定はよくないと考え、決定に不服がある場合には再審請求ができるということを覚えておいてください。これをあなたに。はい、終りました。
ソフィア ありがとうごさいます。
判事   みんなあなたが大変だってことはわかってるわよ。
ソフィア 分かりました。でももちろん再審請求します。
判事   そうしたければ、問題はありません。請求してください。
ソフィア ありがとうございます。
判事   さようなら。頑張ってね。
ソフィア ありがとうございます。さようなら。あなたによい1日を。
判事   ありがとう。



【3人目、ヌオーリ、退院審査】
No 7 ヌオーリ 男性 34歳, 判事 : 男性 60歳くらい, 弁護士 女性 40歳くらい
判事   こんにちは。ヌオーリさん。
ヌオーリ こんにちは。
判事   どうぞおかけください。いいですね。あなたには以前お会いしてますね。私は裁判所の判事です。あなたはマイアンベ ・ヌオーリさんですね。
ヌオーリ そのとおりです。
判事   ですね。あなたは82年の3月13日アンゴラのルワンダで生まれました。あなたはアンゴラ人ですね。
ヌオーリ そうです。
判事   つまり、もちろん、だからそこに居られないんですね。何年も路上生活をしていたんですね。そして。。
ヌオーリ 刑務所に入れられました。
判事   そうですね、あなたは刑務所に入れられていました。それで拘置所に拘留されていたけれども責任能力がないと認められたんですね。というわけでそのあと再審審査室が精神科入院を言い渡したわけですね。
ヌオーリ そうです。全て正しく行われました。心配はありません。8年間法を犯すようなことはしていません。だから、僕が他の人みたいに外出するのをどうして許可してもらえないのか理解できません。
判事   はい、でも、そうですね、分かります。
ヌオーリ 病院から出て、というのは病院ではもう何もすることがないから、仕事を探したいんです。
判事   あなたは、法律で規定しているとおり、うちの書記あなたの件について審問を依頼したんですね。強制入院を終わりにできるかどうか。さて、おっしゃってくださいね、その点についてあなたの状況を明らかにしたいと思います。今どの棟にいらっしゃいますか ?
ヌオーリ キャンディレです。
判事   はい、その通りですね。以前あなたは難病棟UMDにいたことがありましたね。
ヌオーリ そうです。
判事   難病棟UMDを出てからどのくらい経ちますか ?
ヌオーリ 4年になります。
判事   4年ですね、確かに。で、今の病棟はいかがですか ?
ヌオーリ とってもうまくいっています。何も言われませんし。詳しく言うと、オディヤー先生が病院から出て、街へ外出する許可をくれたんです。病院から出られる許可をもらったんです。社会復帰の大学に通う承認を貰いました。だから、外に出て、盗んだりみたいな馬鹿なことをしないで落ち着いて暮らせるようにその手続きを進めてくれています。
判事   その通りです。
ヌオーリ 僕は仕事をします。そうすれば自分の欲しいものを自由に自分で買えます。誰にも邪魔されたり煩わされたりしないで、僕も裁判所を煩わせずに。
判事   治療も続けなければいけませんよ。
ヌオーリ もちろんです。
判事   いいですよ。あなたがこれまでしてきたことを繰り返すことはしませんが、あなたの調書はとても分厚いんです。何年にも渡りますから。
ヌオーリ 仕事がなかったからです。仕事をしていなかったから。僕は
判事   そうですが、そのことはではなくて、あなたの過去を語るためにここにいるのではないから。
ヌオーリ お金が なかったんです。
判事   そうですね、なるほど。でもあなたは2008年に13回も女の人に切りかかって殺人未遂とされています。責任能力はないとされましたが、そういうわけで拘置所の後に精神科に強制入院となったわけですから。それは本当に重大な罪です。決して2度としてはいけないことですよ。もちろん、住民の安全のためにですが、あなた自身の益のためにもですよ。だからこそあなたのために、率直に言いますが、注意しているんです。先生もそのために。。
ヌオーリ でも、先生がすべてできるわけではありません。僕がいます。僕自身の秩序があります。法に従わなければならないのは僕です。フランスを尊重しなければならないのは僕です。オディアー先生がフランスを大切にするのではありません。薬を僕に投与する人がすべてを解決できるわけではありません。僕は落ち着く必要がありました。そして今日はとてもとても落ち着いています。AAH(障碍者手当, 月860ユーロ)。それがあれば頭をもっと理性的に働かせることができます。僕は病気になってしまったから。そのせいで誰かを脅したりしたんです。打ちのめされていたんです。住むアパートもなくて。本当にすっからかんだった。ホームレスだったんです。もうどうにもできなくなってぶち切れてしまったんです。
判事   そう、でもそこを言ってるんではなくて、リヨンの精神分析専門の先生が仰るように、ご自分でも病気があることはわかっていますね。
ヌオーリ ああ、でも誰でもいくらかそうですよ。
判事   まあ、いいでしょう。ラビー先生は「重度の妄想型統合失調」と言ってますから気を付けてくださいね。怖がらせるために言うのではありません。よい治療があれば平均的な人として暮らすことができますから。ただ、過去にあなたが出会った問題、犯した間違いが、あなたの病気と関係があって、それが今でも少しあなたには残っているということです。そのことも忘れてはいけませんよ。わかりましたね、ヌオーリさん。
ヌオーリ はい、はい、わかっています。
判事   では弁護士さんのご意見を伺いましょうか。
弁護士  一つ質問があります。質問を許可していただけますか ?  (ヌオーリに向かって)長いこと入院してきたけど、外の治療を受けてみる気はありますか ?
ヌオーリ 僕はその質問に答える前に、知りたいことがあります。なぜ僕らは病気になるのだろう ?
判事   あっ ! (口があいたまま)
ヌオーリ なぜ僕らはみんな統合失調という病気に苦しむんだろう ? それが知りたいんです。
判事   みんなではないでしょう。
ヌオーリ 僕は病気だなんて知らなかったんです。
判事   そのことでは誰もせめてはいないよ。
ヌオーリ 率直に言わせてもらいたいのですが、 僕が知りたいのは、もし治ったらみんな僕になんでも言いたい放題言うのを止めるんだろうか ? って言うのも僕はどちらにせよ弱者でもあるんです。ああそうだ、僕は成功するにはいろいろ困難があった。でもぼくがうまくいかなかったのはそのせいではないんです。大事なのはまだ能力もあって、尊重するべき義務があるということ。法に従わなくてはいけないということ。今なら僕は法律が何なのかを知ってます。何をしなければならないのかが分かります。自分の意識や行動に気づいているし、だからもう二度としません。なぜならこれが僕にくれた最後のチャンスだから。それをしっかり生かさなければいけないんです。それだけです。
判事   その通りです。弁護士さん、どうぞ。
弁護士  ありがとうございます、判事さん。彼の状況に関して診断書で気になるのは二次的な条件と思われる状況や動機についてです。大事なのは今日を確認することであって、刃物で切りつけたとされる8年前ではありません。その事実は彼も否定していませんし、今日の事実を確認すること、現在、彼が今でも人々の安全を危うくする人なのか、公衆に危害を加える可能性があるのかです。簡潔に申しますと、ひとつ考慮に入れていただきたいことがあります。ジュリーという彼の友人がAHHの入居人として社会的住宅を提供してもいいと言ってくれていて、見守ることができるとおっしゃっているんです。私からは以上です。
判事   わかりました。確かに、診断書はあまり詳しく書かれてはいませんね。しかし、ヌオーリさんの調書はとても分厚いので、膨大な過去がありますからね。まじめに理性的な決断を要します。ですから、本日午後、審議の上で決定します。午後には答えがわかりますから。さて、以上です、ヌオーリさん。


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