~~ 市民による地域精神保健 ~~ 

- 健康は権利 - (無断転載はお断りします) 中村佳世

ピアサポーターによるエンパワーメント

https://www.madinamerica.com/2019/10/peer-specialists-mental-health-workforce/

2019年10月、Mad in Americaに掲載された、ダービー・ペニーとピーター・スタストニー(Darby Penney & Peter Stastny)による記事を松田さんが要約されたものを更に要約してみました。

ピアスタッフとして活動する時にどうすればいいのかという問いにつながってきます。

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アメリカでは、推計で3万人の精神医学的病歴のある人たちが「ピアスペシャリスト」として雇用されている。調査によればその大半は、伝統的な精神保健プログラムにおいて、組織の下部におかれ、専門職の仕事に準ずるような単純な仕事をおこなっているようである。利用者のとの間に上下関係ができているようであり、隔離拘束や服薬の圧力をかけ行動を報告するよう義務づけられたりしている。

伝統的な地域精神保健団体や病院がピアワーカーを使って、リカバリー指向、人権尊重、コミュニティ・インテグレーションといった見かけを創り出そうとしているが、こういった実践は、ピアサポートやアドボカシーを提供する、ピアワーカーの能力を蝕むものだ。ピアワーカーは板挟みに直面して深刻な葛藤をしているだろう。


ピアサポートは自発的なものでないといけない。ピアの本来の目的は、ピアが開発したピアサポートの原理や実践、経験豊かなスーパービジョンを受けることである。本来の役割はオルタナティブを求めて権利主張をおこなうようにエンパワーすることである。

ピアスペシャリストの役割を見直して、当事者団体や非臨床的な団体が提供するピアアドボカシーに資金が流れるようにする必要がある。ピアアドボケイトは、強制的な介入を拒みたい人たちを積極的にサポートし、その人たちが自分の選択のオルタナティブを見つけることができるよう助けることができる。

初期の当事者運動が遺した、ピアアドボカシーの歴史から、インスピレーションを得ることが出来る。ピアスタッフに、精神保健システムによる強制に直面している人たちが質の高いピアアドボカシーを利用できるようにするという目標に向けることを真剣に考えるべき時が来ている。

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