~~ 市民による地域精神保健 ~~ 

- 健康は権利 - (無断転載はお断りします) 中村佳世

精神障害者の自律、社会は相互作用的

精神障害者というと守るべきものと受け取られますが、これには少し疑問を感じていました。

私の妹も統合失調症でしたが、私の健康を一番気づかってくれていました。体だけは大切にね、と。


後見のついた障害者の自律3型

自律について語るとき、できないことに着目するかできることに着目するかで、見方が変わってくるという面白い例がありました。


① 理想型

Mさんは医師からもう大丈夫と言われて退院し、一人暮らしをはじめましたが、かたずけが苦手で、社会福祉士からやっぱり無理と言われて再び入院となりました。

② 脱理想型

Sさんはほとんど人と話すことはありませんが安定しているので退院。週一回社福に出向いて自分の障害者年金を貰いにいき、そのお金で好きなものを買います。飾り気のない部屋ですが、母に見立てた女優さんの写真を飾ってミニマルライフを送っています。

③ 相互作用型

Aさんは幼い頃から知的障害があり、自分でもそれを知っています。ある時、夫が暴力をふるったので家のドアを開けっ放しで路上に出て踊り始めました。すると救急隊がきて、彼女を病院に連れていきました。彼女はこれで守ってもらえたし、暖もとれ色々な人にも会えたと喜んでいます。危険を脱するための緊急の行為は周囲の助けを得て成功しました。夫は優しいときもあります。


①は理想型で型にはめられたために自律に失敗、②は脱理想型で、利用者はともかくも制度を自分のものにしています。③は相互関係型でより積極的に自分に合わせた制度利用をしています。

①と②はできないことに注目した観察、③はできることに注目したもので、私たちの社会が相互依存的であることが見えてきます。

というお話です。


Benoît Eyraud Qelle autonomie pour les "incapables" majeurs? 

Déshospitalisation psychiatrique et mise sous tutelle

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