~~ 市民による地域精神保健 ~~ 

- 健康は権利 - (無断転載はお断りします) 中村佳世

精神障害者の権利に関してよくあるご意見 Q & A

たたき台を作成してみました。大いに叩いて頂いて、いいものを作っていきましょう。


精神科に入院について、よくあるご意見

【身体拘束について】

厚労省資料 (2011) https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/cyousajigyou/dl/seikabutsu10-1.pdf

Q 拘束がかわいそうだと言うなら現場に行ってみろ。暴れる人を縛っておくのはその人も含めてみんなの安全のためだから必要だ。医師がいるのだから任せておけばいい。

Q 「指示したからといって実際にその間ずっと拘束しているとは限らない、必要最低限の範囲で行われているものと考えている」5663日にしても同様。調査報告書では「2分の1以上のケースは1週間未満」だから数日間の拘束は仕方がない。(厚労省担当者)

A 自傷行為などを防ぐためにやむを得ない場合もありますが、長時間の身体拘束が危険なことは知られています。医療者の工夫で物理的にそこまでしなくても何とかなることも多いと現場でも言われています。ただ、丁寧な対応をすれば事務的な仕事も増えるなどがあり、入院数に見合った人員が必要です。今回の調査にあったような拘束期間5663日は『必要最低限』とは言えないでしょう。精神科特例により医師や看護師の数が少なく設定されているため行き届かないといった問題もあります。法改正の必要もあるでしょう。

「外部の目が入らないと精神科病院の中では異常なことが正常になってしまう、1週間は長い」(みんなねっと小幡恭弘事務局長)「法の要件に当てはまらないのに、『院内のルールに違反した』という理由で拘束されている実態がある」「拘束されて一晩、誰も見回りに来なかった」「医師の電話1本で行われているケースも」「長期間の拘束後に死亡した件数を明らかにしてほしい」(NPO法人「地域精神保健福祉機構」(コンボ)の宇田川健代表理事)「今回の調査は回収率が低い。長期間の拘束指示がもっと行われている可能性がある」「海外では数時間程度にとどめるのが主流で、中断を挟んでいるケースもあるが、要件を満たさなくなったら解除するのが本来」長谷川利夫教授

47news : https://this.kiji.is/742297030088785920?c=39546741839462401

秀逸コメント「私もスーパー救急の看護師です。同意見です。やむを得ない事情があったにせよ、15年身体拘束を続ける現場と病状がどうだったのか気になりますね。わたしたには常に、隔離拘束の状態が当たり前になっていますが、それが今絶対に必要なのか?ならば明日は?など常に疑問をもち今一度考えるきっかけにしないといけないとおもいます。」yahoo


Q 家族が面倒をみないから病院に任せたのだろう。身体拘束に文句があるなら自分でみればいい。

A 障害や病気を家族だけで抱え込むことのないようにとできたのが、精神保健制度です。働ける人が働けるようにという資本主義の論理でもありました。身体拘束には厳格な権利規定があって多くの条件と時間的制限が課されています。問題はそれが守られていないこと、可視化されていないことにあります。適正な人員配置も必要です。具体的な要件についてはこちらがわかりやすいかと思います。ご参照ください。https://www.pref.oita.jp/uploaded/attachment/177518.pdf


Q拘束せずに事故が起これば家族から訴えられるだろう。仕事以上のことを要求するのは間違いだ。

A事故が起きないための対策やコンプライアンスがなされるのが専門と言えます。仕事の範囲内で適切な対応がなされるために専門性の高い病院があります。また、その対応が適切か、技量が十分かは公的にチェックされなければいけません。そのための制度も拡充する必要があります。


【長期入院について】

厚労省資料(2014) https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/0000051136.html

Q自称「人権団体」や「人権派弁護士」が主導する金づる発掘のための訴訟としかみえない。

A資金は不足している状況で、費用もかかりますので、利益が出るどころか持ち出しです。

クラウドファンディングも行っておりますのでご協力ください。https://www.call4.jp/info.php?type=items&id=I0000068&fbclid=IwAR22g-S9YEXdaAOL0ea-6vGGTkYrB2Rmi7D4uHZ-tlGLHZpi5hMdivXJzMI


Q患者とは危険で異常がある人だから入院しているのだろう。家族のためにも、社会のためにも重症な人を入院させておくほうがよい。

A統計によれば、よく言われるイメージとは逆に、精神疾患のある人の加害率は変わらず、被害率が高いというデータがあります。現在の精神疾患の定義にのっとり社会適応している人は精神疾患が起きにくいからかもしれません。また、重症でない、むしろコミュニムーション能力もあり院外作業や仕事もできるような人が退院できずにいることの方が問題です。精神疾患で苦しんでいる多くの人はあなたの身近にいて普通に暮らしていて、疾患の重さや回復を一概にいうことができません。そして誰にでも自由に自分の人生を送る権利が保障されています。精神医療審査会のさらなる機能強化と、何よりも社会の理解が必要です。

秀逸コメント「海外ではそんな長期間の拘束なしにやっているのが事実なら、ぜひ厚労省は海外の調査をするべき。もしヒントになる何かがあるのなら、学ぶことに躊躇してはならない。維新以降の日本の近代化は、海外に学んで良いことは取り入れたことによる。先祖に学べ!」


Q何をしても病気を理由に罪に問われないが、患者にも責任はあるだろうから、同じように裁いてほしい。

A世界中で責任能力の有無により無罪とする制度がありますが、実際の適用はそれほど多くはありません。適用された場合、日本では医療観察という刑務所内の病院に入ることになりますが、刑のような期限の定めがないことが逆に問題になっています。

しかし、議論の余地もあるところです。地域で暮らすことを全面的に支持する場合、能力に応じて責任を取ることが本人のためでもあるとする見解もあります。


Q費用は税金で国民が負担しているのだから、国の世話になりながら国に文句を言うべきではない。

A私たちは誰もが障害を負う可能性があり、相互扶助によってお互いに生きやすい社会を構築してきました。障害年金は障害に対して分配されるものであり、誰でもその状態において受け取る資格があります。また、言論、表現の自由は一人ひとりの国民に平等に認められた権利ですから、障害の有無、年金や生活保護受給の有無によるものではありません。それが不当であるとされるならば憲法を改正する必要があります。


【安心してかかれる精神医療のために】

- 精神障害者本人及び医療従事職員、家族をはじめすべての市民に -

【院中の精神障害者の権利に関する宣言】

1 常にどういうときでも、個人として、その人格を尊重される権利

暴力や虐待、無視、放置など非人間的な対応を受けない権利

2 自分が受ける治療について、分かりやすい説明を理解できるまで受ける権利

自分が受けている治療について知る権利

3 一人ひとりの状態に応じた適切な治療及び対応を受ける権利

不適切な治療及び対応を拒む権利

4 退院して地域での生活に戻っていくことを見据えた治療計画が立てられ、それに基づく

治療や福祉サービスを受ける権利

5 自分の治療計画を立てる過程に参加し、自分の意見を表明し、自己決定できるようにサ

ポート(援助)を受ける権利

また、自分の意見を述べやすいように周りの雰囲気、対応が保障される権利

6 公平で差別されない治療及び対応を受ける権利

必要な補助者“通訳、点字等”をつけて説明を受ける権利

7 できる限り開放的な、明るい、清潔な、落ちつける環境で治療を受けることができる権利

8 自分の衣類等の私物を、自分の身の回りに安心して保管しておける権利

9 通信・面会を自由に行える権利

10 退院請求を行う権利及び治療・対応に対する不服申立てをする権利

これらの権利を行使できるようサポート(援助)を受ける権利

また、これらの請求や申し立てをしたことによって不利に扱われない権利

大阪府精神保健福祉審議会 (2000年5月19日)

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