~~ 市民による地域精神保健 ~~ 

- 健康は権利 - (無断転載はお断りします) 中村佳世

人としての権利, 市民としての権利 droits des usagers

【権利】

権利というと抽象的な概念に見えますが、もとは複数形で具体的な一つひとつの権利をイメージする言葉です。権利には基本的な生きる権利、生存権や幸福追求権と市民としての権利があります。

これらは当然障害者にも確保されるべき権利で、障害者権利条約や差別解消法はそれが正しく行われるために補われた法律です。

それを確実にするために、障害者雇用、生活保障や障害者年金、割引き制度、更には後見人制度などにより権利を保障しています。


忘れられがちですが、障害者、健常者に守られるべき権利は、きょうだい児、ヤングケアラーにも守られるべきです。

私たちには、具体的にどんな基本的権利があるのでしょうか。


【生きる権利ー生活と健康】

基本的な生きる権利、文化的な生活が保証されています。事情がある場合には生活保護という保障制度があります。健康も権利と考え健康保険が調えられました。

また個人の幸福追求権も保証されています。


【市民としての権利】

1  個人間の関係では

個人および他者との関係を保証します。 

市民としての権利は、市民の身分、私生活、結婚、家族、財産、相続、仕事など、日常生活の中にあります。

2  市民として国との関係では

公民権は、国家との関係における市民の権利に関係します。 

個人の政治的権利または公民権とは、その人が市民権を持っている国によって保証される政治的自由などです。

これらの権利は次のとおりです。選挙権、被選挙権、意見の自由、集会および結社の自由など。裁判を受ける権利、裁判で証人になる権利、陪審員としての参加や銃の保持なども国家との関係です。

永住権や国籍取得の権利とも関係してきます。


【障害者の権利】

これらの生存権、市民権を守るために、障害に対応して合理的配慮を得る権利があります。差別禁止法も基本的な市民としての権利が行われるように作られたものです。

障害者の権利を守ると同時にその家族、きょうだい児やヤングケアラー、親の権利も守られる必要があります。


【市民としての義務】

市民は法律を尊重することで、組織された社会で共存することが可能になり、自由、権利、安全がすべての人に保証されます。

国民には勤労と納税の義務があり、国には教育の義務があります。

障害があって障害年金や生活保護を受給している場合でも消費税を納税しています。また、社会の不便な部分を訴えたり提案したりして、無報酬で貢献している人もいます。

例えば、歩きやすい道路やエレベーターの設置を提案し要求する障害者がいて整備が進んだことで、一般の人も助かってます。

疲れている時や重い荷物を持っている時、年をとったときなどには、エレベーターは有難いものです。


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