~~ 市民による地域精神保健 ~~ 

- 健康は権利 - (無断転載はお断りします) 中村佳世

利用者による『精神保健における利用者憲章』とリスボン宣言


ご利用ありがとうございます。


★ 注意

自身の自律に役立てて頂けるように無料で翻訳したものです。ご自由にご利用ください。盗用される場合は、憲章の真意が伝わらない可能性がありますので、その点ご留意ください。

翻訳した旨とそのお礼を、草稿者代表であるクロードさんにお伝えしたところ、憲章は法的な効力を持つものではなく、あくまでも憲法、法律、及び障害者権利条約が基準となりますとの事です。


【はじめに】

フランスの精神保健利用者団体連合FNAPSYと、政府保健省、病院団体代表により署名された『精神保健における利用者憲章』。
訪れた精神科救急センタージェロームボッシュの利用案内に書かれていた情報です。まだまだ十分に守られていないという批判もある考え方としての権利、目標としての憲章を租訳しました。全文はこちら ↓
https://www.epsm-loiret.fr/wp-content/uploads/2022/02/ChartePatientSanteMentale.pdf
Charte de l'usager en psychiatrie | Le Club


その後、フランス保健省は入院患者の権利を表した『あなたの権利』を病室に掲示することを義務づけました。フランス語の他、英語、中国語、アラビア語、スペイン語、イタリア語、ポルトガル語版があります。
フランス語版 https://solidarites-sante.gouv.fr/IMG/pdf/flyer_a5_couleur.pdf
英語版 https://solidarites-sante.gouv.fr/IMG/pdf/anglais.pdf


フランスの強制入院には医療保護入院はありません。フランス保健省は強制入院という精神科の特殊性についてもホームページで説明していますので、追ってそちらも翻訳してみたいと思います。↓

https://solidarites-sante.gouv.fr/prevention-en-sante/sante-mentale/prevention-informations-et-droits/article/les-droits-des-patients-en-psychiatrie


なお、法的な拘束力を持つのは憲法及び、日本も批准している『障害者権利条約』です。



【精神保健における利用者憲章】


1 一人の完全な人
精神保健における利用者とは、人間としての尊厳のために敬意と配慮が尊重されなければならない人です。
利用者は、プライバシー(私物、郵便、介護、トイレ、個人的なスペースなど)、個人の私生活、および個人的、医療的および社会的情報の機密性が守られる権利があります。
この目的のために施されたケア等による職業上の秘密保持は、法により保証されています。
患者が精神科医に述べたこと、および精神科医が検査または治療中に気づいたことについては、患者自身または第三者への深刻な損害を避けるために開示する必要があると思われる場合を除き、すべて秘密が守られなければなりません。ただし、この場合にも患者は、秘密が開示されることについて知らされなければなりません。
利用者は、子供扱いされたり、身体的または精神的に障害があると見なされたりするべきではありません。
利用者の信念は尊重されるべきで、自分で選んだ宗教の長を頼むことができます。


2 苦しむ人
精神保健の利用者は、病気そのものに矮小化されるべきではなく、ただ病気にかかっている人です。
この病気は恥ずべき病気ではなく、治療しそれを生きる病です。
精神保健においては、利用者の肉体的、心理的苦痛に配慮することが、常にすべての介入関係者の関心事でなければなりません。
精神科医は利用者に、知る限りの最善の治療法を提供しなければなりません。
精神保健の専門家は、利用者に関する有用な情報を交換し医療的ケアや社会的ケアを最適なものとするために、ネットワークで協働する必要があります。特に、精神科医とクリニックの一般医との良好な連携が保証されることです。(精神科医とかかりつけの家庭医とのつながりは、実際、患者の居住地に可能な限り近く、質の高いケアのために不可欠なつながりの1つです)この必要な連携においても、専門家の秘密保持義務に関しては特に注意を要します。
精神保健における健康と社会との有機的な繋がりを考える時、利用者の利益のために開発されたプロジェクトは、介入する人々の都合による人為的な分野の分断にさらされてはなりません。
全ての人にケアへのアクセスを確保し、利用者の幸福のために装備された施設内で、妥当な時期に、暖かく歓迎されなければなりません。
入院することになった場合も、セキュリティ上の問題がある場合を除き、利用者は滞在中の私物を保持管理できます。
利用者には、入院する病院の滞在と場所に関する情報および利用者の権利と義務を知らせる実用的な案内書を渡さなければなりません。
施設の敷地内での電話や通信によるコミュニケーション、訪問および外出については、患者と医師の間で定期的に話し合われるべき項目として契約されます。また、そのコミュニケーションは他の患者のプライバシーを尊重して行われなければなりません。
入院後に質の高いケアを組み立てる必要が生じる場合には特別の注意が払われます。


3 適切に配慮された、明確で誠実な方法で情報を与えられる人
利用者は、医師と病院を自由に選択する権利を持っています。それは契約関係における自由な相互コミットメントの私たちの健康法の基本原則です。ただし、緊急の場合や、医師が法に定められる人としての義務を果たせない場合を除きます。(公衆衛生法第L.1111-1条および医療倫理法第47条)。
利用者は、彼のために働く人たちの名前やそれぞれの役割、また精神保健ケア組織(各セクターやセクター間の組織構造など)についての情報を得ることができます。
法律で決められた手順に従って、誰でも自分の医療記録および管理記録に含まれる情報にアクセスできます。
患者本人に対しては、医療を秘密にすることはできません。医師は、健康状態、提供されるケア(特に、適用される治療法のいわゆる「副作用」について)、および代替となる治療法について、簡単、公正でわかりやすくアクセスしやすい情報を提供する必要があります。緊急の場合を除き、利用者は、自分がまだ十分な情報を持っていないと思い、熟慮する時間や医学上のセカンドオピニオンを望むことも可能です。
生物医学研究の際には法律を厳守し、前もって利用者の自由意思によって明確に表明されたインフォームドコンセントを得る必要があります。
ケアスタッフのための研修(初期および継続)時に患者が対象となる場合は、事前の同意が必要です。患者による拒否を無視することはできません。
未成年者の場合は年齢と理解力に応じて、法定代理人に対する通知義務とは独立して、本人にも可能な限り重要な情報が伝えられます。
患者の事前の同意があり、患者の健康状態が許し、患者の同席が可能な場合、親族が担当医師やケアスタッフと対話するために十分な時間を持てるようにしなければなりません。
利用者はソーシャルワーカーに会うことができます。
入院が必要であることが判明した場合、患者はこの入院と、他の救済策の条件について明確で適切な情報を直ちに受け取ります。最初のうちは症状の重症度のせいで、この情報が正しく理解されていないリスクがありますから、必要に応じてその後も繰り返し説明されます。
利用者は、入院時と滞在時の条件に関する、明確でわかりやすく適切な情報を受け取ります。


4 自分に関わる決定に積極的に参加する人
利用者を継続的なケアプロセスの中心に据えるために、利用者に関するあらゆる決定への利用者の積極的な参加が常に求められなければなりません。
法律で定められた強制入院の場合以外、入院患者は、自分の状態の潜在的なリスクについての情報を受け取り、退院書類に署名した場合は、いつでも施設を出ることができます。
患者が、精神的な疾患のために、自分にとって何が利益かについて判断することができない場合、彼自身または第三者に深刻な結果をもたらす可能性がある場合を除いて、彼の意志に反して、また彼の同意のない治療的アプローチを行うべきではありません。
患者の状態が彼の同意なしにケアを必要とすると法的に判断された場合を除いて、患者を施設に留めておくことはできません。その場合は患者に、法的状況と彼の権利について知らせなければなりません。
治療の有効性と治療の受入れについて考えるなら(精神保健においては特に)、たとえ同意なしのケアが必要な場合でも、本人のケアや日常生活に関することすべてについて、常に最高度の情報提供を図り、本人参加の機会を探る必要があります。
ただし、真の共同治療プランを築くことと、単純な相互の透明性とを混同してはなりません。
利用者に対して、本人意思に反する入院が必要な状況が解消した場合は、精神科医は直ちに、本人意志に反して適用された措置を中断しなければなりません。
未成年者は自分に関する重大な決定を下すことができないので、彼らの代わりに同意を表明するのは親権者の責任になります。ただし、法定代理人の拒否または法定代理人の同意を得ることができない場合に生じるリスクにより、未成年者の健康が損なわれる場合、医師は、可能な治療を提供できるようにするために、事案を検察官に委託することができます。ただし、これらの措置が医学的に示されるものを超えて拡張されないように注意する必要があります。未成年者の意見が得られる場合は、可能な限り医師はそれを考慮しなければなりません。
また、医師は責任能力のない成人については後見人等の意見を考慮に入れなければなりません。


5 不当だと感じることのできる責任のある人
満足度評価票(各患者に入院案内で提供されている)に説明されている評価結果とは関係なく、利用者またはその受益関係者は、彼らの意見、希望または要求を、直接施設長に伝えることができます。
施設機能の不具合を訴えたい場合、または偏見により不利益を受けたと思われる場合は、方向づけを支援できる調停に責任のある病院長、精神科入院部門委員会、支援と指導を担当する地方調停委員会等に、調停または可能な他の方法を示してもらうことができます。(彼らを罰することにならないようできるだけ早急に)。


6 家族社会的環境や職業環境が考慮される人
依然として利用者が差別の犠牲者となることが多すぎる社会職業的環境への包摂を促進するために、利用者のために実行されるアクションは、精神疾患を理由に過小評価されることがないイメージを伝えることを目的とした施策であることを保証します。
ケアチームは、患者が段階的に社会復帰を促進することによって自分自身を再建できるよう、患者の能力、知識、それらを利用するノウハウを積極的に活用できるよう、治療過程一歩一歩に関心を持っています。 また、各自のリズムを尊重するために各段階について患者と話し合います。
患者との同意事項を厳密に守ることで、家族は治療プロジェクトに参加し、最も正しい態度がとれるよう、また彼の種々の困難に対してサポートが受けられるように、情報を得ることができます。


7 孤立から抜け出す人
健康と社会の両方の分野の専門スタッフの良好な連携により、患者は、連帯の絆を築く場である精神科の利用者団体 : 情報交換の場、聞いてもらえる場、出会える場、交流の場、共生の場、快適さが感じられる場、に関する情報を受け取り、連絡を取り、社会的なネットワークを築くのに役立てます。


8 市民としてその声がケアと予防システムなど健康政策の発展に影響を与える人
精神保健に関する利用者の満足度については、情報やケアの質を向上させるための土台となる調査、特に受入れや滞在の状況に関する定期的な評価調査を受けなければなりません。
発展のうちでも特に実り多いとされている対話の枠組みの内で、利用者がその経験を通して積極的に開発の各段階に参加し力を尽くすことは、精神保健に関する各当局の振返りと決定に貢献します :
- 地方レベルで : (理事会、調停委員会、C.L.I.N、C.D.H.P、セクター評議会、ワーキンググループ、特に質の高いアプローチと施設の認定に関連するものなど)
- 地域レベルで : (地域健康会議、S.R.O.S.S。および健康マップ、A.R.H。およびD.R.A.S.S.によって設立されたワーキンググループなど)
- 全国レベルで : (国民健康会議など)
情報の質、受入れ、ケアおよび予防の絶え間ない改善の過程で、専門家は、孤立から抜け出し、医療システムのスタッフや意思決定者にニーズ、意見、提案を表現できる協会を創設するイニシアチブを支援することによって、ユーザー団体代表の確立のための条件を促進します。
健康に関する真の民主主義の活気に満ちた前進のために、精神保健の利用者は、このように積極的かつ情報に基づいた参加を通じて、わが国のケアと予防システムの人間の顔を持った前向きな進化のための決定的な市民の貢献をもたらします。


この憲章は、2000年12月8日にパリで以下の出席の下に署名されました。
ドミニク・ジロー夫人:保健および障害者担当大臣
クロード・フィンケルスタイン夫人:全国精神医療利用者団体F.N.A.Psyの会長
アラン・ピドル博士:議長
ジャック・ロンバード氏:全国精神医療利用者団体F.N.A.Psy.の名誉会長
イヴァン・ハリミ博士:会議の副会長(利用者および家族関係者)
F.N.A.P. Psy -24 Rue de Maubeuge-75009 Paris
C.M.E.の大統領会議deC.H.S.-医療心理学クリニック-57370 ファルスブール
(翻訳 中村佳世)

こちらも参考にしてください。

意に反して精神科に入院させられたら - ~~ 市民による地域精神保健 ~~ 



以下、参考のために一般的な患者の権利を唱えたリスボン宣言を載せておきます。
こちらは日本医師会のHPにも載っているものです。
項目の4,5,6には精神科では特に見逃すことのできない内容が載っています。
前述の精神保健利用者の権利憲章と比較してみて頂けたらと思います。


【患者の権利に関するWMAリスボン宣言】


改定履歴: 1981年リスボンにて採択、 1995年バリで追加改定、 2005年サンティアゴで修正、 2015年オスロで再度確認
序文
近年、医師と患者そしてより広い社会との関係は、著しく大きな変化を体験してきた。医師は、自らの良心に従い、常に患者の最善の利益のために行動すべきであると同時に、患者の自主尊重・自己決定権(Autonomy)[注釈 1](これを自律性としている日本の訳は誤りで自己決定権の事である)と正義を保障するためにも、それと同等の努力を払わねばならない。以下に掲げる宣言は、医療職として是認し推進する患者の主要な権利のいくつかを述べたものである。医師および医療従事者、または医療組織は、この権利を認識し、擁護していくうえで共同の責任を負う。法律、政府の措置、あるいは他のいかなる行政や慣例がこれらの患者の権利を否定する場合には、医師はこの権利を保障ないし回復させる適切な手段を講じるべきである。


【原則】
1.良質な医療を受ける権利
1. 全ての人間は差別されることなく適切な医療を受ける権利を有する。
2. すべての患者は、いかなる外部干渉も受けていない臨床上および倫理上の判断を行うだろうと自ら知っている医師によって治療を受ける権利を有する。
3. 患者は、常にその患者の最善の利益に即した扱いを受ける。患者が受ける治療は、一般的に受け入れられた医学的原則に沿って行われるものとする。
4. 質の保障は、常に医療のひとつの要素でなければならない。特に医師は、医療の質の擁護者たる責任を担うべきである。
5. 供給を限られた特定の治療に関して、それを必要とする患者間で選定を行わなければならない場合は、そのような患者はすべて治療を受けるための公平な選択手続きを受ける権利がある。その選択は、医学的基準に基づき、かつ差別なく行われなければならない。
6. 患者は、医療を継続して受ける権利を有する。医師は、医学的に必要とされる治療を行うにあたり、同じ患者の治療にあたっている他の医療提供者と協力する責務を有する。医師は、現在と異なる治療を行うために患者に対して適切な援助と十分な機会を与えることができないならば、今までの治療が医学的に引き続き必要とされる限り、患者の治療を中断してはならない。


2.選択の自由の権利
1. 患者は、民間・公的部門を問わず、担当の医師、病院、または保健サービス機関を自由に選択し、また変更する権利を有する。
2. 患者はいかなる治療段階においても、他の医師の意見を求める権利を有する。


3.自己決定の権利
1. 患者は自分自身に関わる自由な決定を行うための自己決定権を有する。医師は、患者に対してその決定のもたらす結果を知らせるものとする。
2. 患者はいかなる治療段階においても、他の医師の意見を求める権利を有する。
3. 患者は医学研究あるいは医学教育に参加することを拒否する権利を有する。


4.意識を喪失している患者
1. 患者が意識不明かその他の理由で意思を表明できない場合は、法律上の権限を有する代理人から、どんなときでも可能な限りインフォームド・コンセントを得なければならない。
2. 法律上の権限を有する代理人がおらず、患者に対する医学的措置が緊急に必要とされる場合は、患者の同意があるものと推定する。ただし、その患者の事前の確固たる意思表示あるいは信念に基づいて、その状況において医学的措置を拒絶するだろうことが明白かつ疑いのない場合を除く。
3. しかしながら、医師は自殺企図により意識を失っている患者の生命を救うよう常に努力すべきである。


5.制限行為能力者の患者
1. 患者が未成年者あるいは制限行為能力者の場合、管轄地域によっては、法律上の権限を有する代理人の同意が必要とされる。それでもなお、患者の能力が許す限り最大限、患者は意思決定に関与されなければならない。
2. 制限行為能力者の患者が合理的な判断をしうる場合、その意思決定は尊重されねばならず、かつ患者は法律上の権限を有する代理人に対する情報の開示を禁止する権利を有する。
3. 患者の代理人で法律上の権限を有する者、あるいは患者から権限を与えられた者が、医師の立場から見て、患者の最善の利益となる治療を禁止する場合、医師はその決定に対して関係する法的あるいはその他機関に抗議を申し立てるべきである。救急を要する場合、医師は患者の最善の利益に即して行動する。


6.患者の意思に反する処置
1. 患者の意思に反する診断上の処置あるいは治療は、特別に法律が認めるか医療倫理の諸原則に合致する場合にのみ、例外的な事例としてのみ行うことができる。


7.情報に対する権利
1. 患者は、いかなる医療上の記録であろうと、そこに記載されている自己についての情報を知る権利を有し、また症状についての医学的事実を含む健康状態に関して十分な説明を受ける権利を有する。しかしながら、患者の記録に含まれる第三者についての機密情報は、その者の同意なくしては患者に与えてはならない。
2. 例外的に、情報が患者自身の生命あるいは健康に著しい危険をもたらす恐れがあると信ずるべき十分な理由がある場合は、その情報を患者に伝えるのは控えてもよい。
3. 情報はその患者の文化に適した方法で、かつ患者が理解できる方法で与えられなければならない。
4. 患者は、他人の生命の保護に必要でいない場合に限り、その明示的な要求に基づき情報を知らされない権利を有する。
5. 患者は、もしいれば自分に代わって情報を受ける人を選択する権利を有する。


8.秘密保持に対する権利
1. 患者の健康状態、症状、診断、予後および治療について個人を特定しうるあらゆる情報、ならびにその他個人のすべての情報は、患者の死後も秘密が守られなければならない。ただし例外として、その子孫には、自らの健康上のリスクに関わる情報を得る権利もありうる。
2. 秘密情報は、患者が明示的な同意を与えるか、あるいは法律に明確に規定されている場合に限り開示することができる。情報は、患者が明らかに同意を与えていない場合は、厳密に「知る必要性」に応じてのみ、他の医療提供者に開示することができる。
3. 個人を特定しうるあらゆる患者のデータは保護されねばならない。データの保護のために、その保管形態は適切になされなければならない。個人を特定しうるデータが導き出せるようなその人の人体を形成する物質も同様に保護されねばならない。


9.健康教育を受ける権利
1. すべての人は、自らの健康と利用可能な保健サービスについて、情報を与えられた上での選択が可能となるよう健康教育を受ける権利がある。この教育には、健康的なライフスタイルや、疾病の予防および早期発見についての手法に関する情報が含まれるべきである。すべての人の健康に対する自己責任が強調されるべきである。医師には教育的努力に積極的に関わっていく義務がある。


10.尊厳に対する権利
1. 患者の尊厳とプライバシーを守る権利は、その文化および価値観と共に、医療ケアと医学教育の場においても常に尊重されるものとする。
2. 患者は最新の知識に基づいた方法で苦痛を緩和される権利を有する。
3. 患者は人間的な終末期ケアを受ける権利を有し、尊厳を保ちかつ安楽に死を迎えるためのあらゆる可能な助力を与えられる権利を有する。


11.宗教的支援に対する権利
1. 患者は、自らの信仰する宗教の聖職者による支援を含め、精神的、道徳的慰問を受ける、または断る権利を有する。
— The World Medical Association - WMA Declaration of Lisbon on the Rights of the Patient[4]



【お願い】

残念ながら、このブログから有料出版物への無断引用がありました。出版直前にご連絡がありましたが「変えるつもりはありません」との脅迫とも取れる一言が添えられていました。左手でケアを語りながら右手で他人を傷つける行為が頻繁に見受けられます。

引用、転載の際は一言、許可願いのコメントをお願いします。


こちらのブログは主に市民参加の地域精神保健についての文献を載せています。自らの足と手で一次資料を探し、それを基に無料で翻訳し掲載しているページです。
日本においては、精神科の患者の権利はもとより、厚労省で働く人たちの権利、著作権、翻訳権、肖像権、など、すべてにおいて人の生きる権利が大変軽く考えられています。
フランスにはさらに、言質についても権利があり、録音などにも許可が必要です。一つひとつ足を運び、許可願いをし、とよりよい精神保健システムを目指して、労力をかけたものです。
転載される場合は一言コメント欄に、目的と使用する場所などを明確にお知らせ頂きますようお願い申しあげます。


また近年、あるべき受援力が語られたり、逆に当事者を表明する事で他の人を健常とみなし援助を期待したり、支援はこうあるべきだとするのも、リカバリーへのよい選択ではありません。相互支援が望まれるところです。


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