~~ 市民による地域精神保健 ~~ 

- 健康は権利 - (無断転載はお断りします) 中村佳世

医療保護入院、違憲と考える憲法上の根拠

【法的根拠となる憲法】

『すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。』で知られる日本国憲法の第三章には、国民の権利及び義務が書かれています。

医療保護入院を違憲と考える直接の根拠は下記の条文により保証されています。

また、措置入院についても、確かに法に定められたケースに当たるのか、第三者による入院には必ず、権利侵害がなかった事を確認する司法を介した審査が必要です。


【違憲とする根拠、22条および31条による自由の保証】

22条 何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。

31条 何人も、法律の定める手続きによらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。(裁判を受ける権利と比較してみると解りやすいと思います。)

32条 何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪われない。

33条 何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となっている犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。

34条 何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ、抑留又は拘禁されない。又、何人も、正当な理由がなければ、拘禁されず、要求があれば、その理由は、直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない。

35条 何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第三十三条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。

【入院中守られるべき平等な基本的人権についての条文】

13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

11条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。

14条 すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

12条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

18条 何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。

36条 公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。

16条 何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。


 自由には他に財産権、信教の自由、集会、結社及び言論、出版その他の表現の自由や思想及び良心の自由、教育、納税の義務などが書かれています。

 国賠訴訟についても17条に『何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。』40条には、『何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができる。』とあります。


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