~~ 市民による地域精神保健 ~~ 

- 健康は権利 - (無断転載はお断りします) 中村佳世

地域精神保健 2 インフォーマルケア【当事者運動から生まれた相互支援】

地域精神保健 2 インフォーマルケア

【1 自助グループの相互支援】


WHOの示す地域精神保健で最重要なのは常にセルフケアです。


そのセルフケアの土台の上に重要かつ効果的と言われるのが、インフォーマルケアです。
インフォーマルケアには相互支援やいわゆる社会的処方、就労などがあります。
セルフケア、インフォーマルケアは、特に精神保健の利用者に限ったことではなく、
すべての人にあてはまる項目です。


その中で特に利用者によいとされるのが、ピアによる相互支援
リカバリー憲章の中でもその効果を言い広めること、という項目があります。
そのリカバリーという考え方は当事者の自助運動の中から生まれたものです。


当事者運動の中から生まれたものといえば、ピアクライシスホステルのピアレスパイトやIPS意識的なピアサポートがあります。日本にも依存症やDVの自助グループがあります。


より一般的なのは地域活動センターなどで、フランスでも同じようにGEMが補助金を得て作られ、人のつながる場として、また様々な活動が行われています。
自助グループが安心な場として育ってくると自然な相互支援が生まれます。


余分なストレスを溜めずに長続きするためには、共通理念をしっかり持っていることが、当時者、支援グループに共通しているように思います。


それぞれの自助グループが共通認識として大切にしている、3つの例を挙げておきます。
1、2 はいずれもアメリカの当事者運動から生まれたもの、3はフランスの例です。




1  ピアクライシスホステル
大切にしていること ピア・レスパイト憲章(The Peer Respite Charter)


第1条:すべてのピア・レスパイトの特徴
① リーダーシップをとる人たちを含めて、レスパイトにおいて給与を受けているすべての人たちは、生活が中断されるような情動的苦痛やその他の生活上の重大な困難のパーソナルな体験をもっていると自認している。そして、仕事の一部として、その体験のなかから他の人たちと進んでわかちあう。
② レスパイトの哲学は、クライシスは学びの機会になりうるという考えに根差している。
③ アセスメントや危険よりも、価値基準や人としての責任が強調される。
④ レスパイトの哲学は、自己決定、相互性、癒しと成長はすべての人たちにとって可能であるという考え、といったことを大切にする価値基準に根差している。
⑤ レスパイトの内容やアプローチは、トラウマの影響に気づくことに根差している。
⑥ 以下こちらに続きます。
https://gigi.muragon.com/entry/135.html



2  IPS意図的なピアサポート
相互支援で大切にしている3つの原則


① 焦点は、個人から関係性へ 
② お互いの問題を前提にせず共に学ぶ 
③ 怖れから解放され希望を発展させる


特にお互いの問題を前提にしないという原則は特筆すべき共有事項ですね。
詳しくはこちらをご覧ください。
https://gigi.muragon.com/entry/127.html



3   GEM自助グループ


幸せなキティっ子
共通の原則 《ここの幸せは自家製!》
フランスでは自助グループが制度化され、補助金を得て活動しています。日本の地域活動センターによく似ていますが、活動の種類が多く、利用者の自治によるものが多いことが特徴です。
詳しくはこちらをご覧ください。



ラ・トラム




セルフケア、インフォーマルケアは、特に精神保健の利用者に限ったことではなく、
すべての人にあてはまる項目です。社会活動はそのまま相互支援です。



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