~~ 市民による地域精神保健 ~~ 

- 健康は権利 - (無断転載はお断りします) 中村佳世

精神障害者の自律、社会は相互作用的

精神障害者というと守るべきものと受け取られますが、これには少し疑問を感じていました。 私の妹も統合失調症でしたが、私の健康を一番気づかってくれていました。体だけは大切にね、と。 後見のついた障害者の自律3型 自律について語るとき、できないことに着目するかできることに着目するかで、見方が変わってくるという面白い例がありました。 ① 理想型 Mさんは医師からもう大丈夫と言われて退院し、一人暮らしをは…

ピアサポーターによるエンパワーメント

https://www.madinamerica.com/2019/10/peer-specialists-mental-health-workforce/ 2019年10月、Mad in Americaに掲載された、ダービー・ペニーとピーター・スタストニー(Darby Penney & Peter Stastny)による記事を松田さんが要約されたものを更に要約してみました。 ピアスタッ…

GAM 相互支援による服薬の自律獲得, autonomie psychiatriic medication

Gaining Autonomy and Navigating Psychiatric Medication: Olga Runciman and Celine Cyr in conversation 『自律をつかみ取る服薬の旅』 オルガ・ルンチマン: 世界精神薬減薬協会より、セリーヌ・シーア: GAM自律獲得と服薬  相互支援グループによる精神薬の服薬コントロール、インターネット会議2020年…

IPS意図的なピアサポート まとめ

IPS 意図的なピアサポート(相互支援)1 IPS意図的なピアサポートについて松田博幸さん(大阪公立大学)は次の2点を指摘します。 1. 単なる自己啓発のためのプログラムに留まらない、社会変革とか運動といった文脈からピアサポートが生まれた 2. 援助専門職者が、自らに内面化されている医学モデル的な感覚や考えから解放されるという視点が大切   IPS 意図的なピアサポート(相互支援)1 (Sipp…

IPS意図的な相互支援とは、シェリーミードにインタビュー L'entretien avec Shery Mead

IPS意図的なピアサポート2 創始者シェリーミードにインタビュー http://fr.psy.co/shery-mead-sur-le-soutien-par-les-pairs-intentionnel.html 出典:エリック・マイゼル 次のインタビューは、メンタルヘルスの将来についての一連のインタビューの一部です。 シェリー・ミードインタビュー EM: IPS意図的なピアサポート、その哲学…

人としての権利, 市民としての権利 droits des usagers

【権利】 権利というと抽象的な概念に見えますが、もとは複数形で具体的な一つひとつの権利をイメージする言葉です。権利には基本的な生きる権利、生存権や幸福追求権と市民としての権利があります。 これらは当然障害者にも確保されるべき権利で、障害者権利条約や差別解消法はそれが正しく行われるために補われた法律です。 それを確実にするために、障害者雇用、生活保障や障害者年金、割引き制度、更には後見人制度などに…

エンパワメント実施のコンセプト Enpowerment

【エンパワメント実施のコンセプト】 エンパワメントで最も重要なことは、当事者が市民としてリスペクトされ権利が守られることです。当事者自身が自分の市民としての権利を認識することが大切です。同時に、エンパワエントは関わる全ての人やグループにも必要です。 複雑な現代社会において、誰に取ってもエンパワメントは普遍的なものと言えるかもしれません。 【理論についてひとこと】 エンパワメントとは「メンタルヘル…

当事者の参加 participation des usagers

Psycom講座より『新しい』考え方の誕生 『当事者参加』コンセプトを行動に移す セリーヌ・ルビエールとイザベル・フルニエ (Psycom) 【参加と共同】 • リカバリー(主観的と医療的): - その人なりの個人的な充実感の発展 - リカバリーという目的が大事なのではない。時折りぶり返すこともありながら生きていく、単純ではない過程そのものが大事。 - 病気のために可能性が限られること…

コミュニティ市民精神保健 Psychiatrie communautaire

【コミュニティ精神保健の展望】 世界保健機関CCOMSディレクターJean-Luc ROELANDT 21/01/2019@パリ、リール大DIUで行われたセミナーより 【精神医療はどう変わったのでしょうか?】 •ケアの概念が変わりました:精神医学からメンタルヘルスへ •WHOにおける転換 •分類と治療の変更:懸念のある治療と、よい方向に向かうケア •リクエ…

市民精神医療 5-2 自助グループ La Trame

地域市民精神医療 5-2 自助グループ L entreaide 今回はパリで活動する自助グループラトラムをご紹介します。前回の活動の種類を増やしていくGEMとは異なり、あくまでも交流を主体としたグループなのでGEMとは呼ばれません。元々は家族会から始まったもので、主体が徐々に本人へと移っていった団体です。 こちらに伺っていろいろとお話も聞いてまいりましたので、追々記述を追加していきたいと思います…

市民精神医療 6 協働アトリエ『健康な生活』Atelier bien être

利用者の自助グループと専門家(精神医療関係者)による ワークショップ《健康な生活》 行政と公私12団体の協力を得て開催しています。行政が関わることで精神疾患は標準化されます。標準化され当たり前のものとなることは大変重要です。それにより意味のない偏見のバリアが取り除かれ、病院を利用する人にとっても利用しない人にとっても、各々の苦しみを癒やすことを容易にします。 リール市東地区の区役所は公営住宅を提…

市民精神医療 5-1 自助グループ『幸せなキテイっ子』 Groupe de l entreaide mutuel

大変お待たせいたしました。 これから少しずつ市民精神医療を具体的に見ていきたいと思います。 今回は相互支援グループをご紹介します。相互支援グループは自助グループとして始まりました。リール東地区に現在三つの自助グルーブがあります。 ロンシンにあるグループ« キティボナール »、モンサンバレルに拠点をおくグループ « 友情と分かち合い»他。 日本にも自…

相互支援、IPS 意図的なピアサポート Sipp pair aidant au Quebec

一緒に学びましょう! IPS意図的なピアサポート 相互支援の原則は 共に学ぶ  個人から関係へ 怖れから解放され希望を発展させる 人間的な可能性の発見 (RRASMQ ケベック州オルタナテイヴ精神保健連合) 1 単なる自己啓発のためのプログラムに留まらない、社会変革とか運動といった文脈から生まれたピアサポートです 2 援助専門職者が、自らに内面化されている医学モデル的な感覚や考えから解放されると…

『市民精神医療1-4』療養から就労まで psychiatrie citoyenne

『市民精神医療』 リール市で実践されている行政の地域間協力と『市民による精神医療』の具体的な取り組みについて書いていきたいと思います。原文は英語ですので直接お読みになりたい方はこちらをクリックするとご覧になれます。 Community mental health service: an experience from the East Lille, France Roelandt JL http…

市民精神医療 4 就労 Psychiatrie citoyenne 4

今回はいよいよ社会復帰。 経済的社会復帰 適応障害者とのパートナーシップ(職場生活適応センター) Fâches-Thumesnilにある適応センター(CAVA)は、フランスの1901年アソシエーション法に基づき設立された障害者協会です。 経済活動を通じて社会的包括をめざします。その目的は、職業的に排除された人々(最低賃金の受給者、長期失業者)の雇用市場へのアクセスを促進することです。…

市民精神医療 3 住宅(移行期と代替) psychiatrie citoyenne

第3回は住まいについてです。 一人一人が自分を大切に暮らすためにはなによりも安心して住まう場所が必要です。 ハウジングファーストもこの考えに基づき実施されています。 リール市では一般市民との接点が様々に工夫されています。 住宅 公営アパートとアパート委員会の自治 市民精神医療において、社会的なつながりを維持できる住まいはインクルージョンの大切な要素です。 社会医療協会(AMPS)は地域社会に溶け…

市民精神医療 2 仕組み psychiatrie citoyenne 2

今回からはいよいよ中身を見ていきたいと思います。 リール市の市民精神医療のしくみ 1 町に散りばめられた治療プログラムの場 2 急性期の治療と入院に代わるもの 3 回復期をサポートする様々な市民参加のしくみ では、仕組みのなかでも実現しやすそうな町の仕組みから。 リール市の市民精神医療 - 2 1 町に散りばめられた治療プログラムの場 治療プログラムは、6地区全域で芸術、スポーツ、文化など、一週…

市民精神医療 1 理念 psychiatrie citoyenne

みなさん、お元気でお過ごしでしょうか? 社会学も2年目に入り嬉しい出会いがあり、また取り組むくテーマも決まりました。 『市民精神医療』 これから数回に分けて『市民による精神医療』の具体的な取り組みについて書いていきたいと思います。原文は英語ですので直接お読みになりたい方はこちらをクリックするとご覧になれます。フランス語に訳して要点をまとめたものがありますので、後ほど別ページに貼っておきます。 h…

フランスの医師 médecins français

フランスのお医者さんのはなし < 11 %が海外で医師免許を取得 > 現在フランスで稼働している医師のうち11 %が海外で医師免許を取得しています。 2018 年に新たに医師となった人では15 %が海外で取得 ! というのは。。 戦後植民地が独立し本国引き揚げ復興に貢献。 1930年の排外的医師法が影響してか戦後も外人医師の雇用は進まない中、60 年代には好景気のため膨大な労働者が必…